オークス回顧

勘弁してくれ…。書き終わる10秒前にエラーで全てが消えたぞ…。
気合いを入れて書き直し。

勝ちタイム2分26.2秒。これはオークスレコードと0.1差の好記録。前半1200m通過70.5秒という記録上の数字はあるが、ヤマニンファビュルの暴走を無視すれば事実上のペースメーカーは2番手にいたアサヒライジングだろう。私の目測になるがアサヒRの1200m通過は74.2秒。つまり、実際はこのレースは前後半のラップが74.2−72.0と、後半の方が2秒速い若干先行有利の平均ペースであった。
勝ったカワカミプリンセスはここでは力が違った。予想欄でも書いたが、今年の3歳牝馬路線のトップは決して桜花賞組ではない。桜花賞上位組と僅差の勝負を演じていた馬が別路線に進み負けているのだ。カギはこれらの馬の比較であったが、今までのレースぶりも1頭次元が違っていたカワカミPの順当勝ちといったところであろう。このKヘイロー産駒、父に似て頭が高い走法で多少距離に不安も感じていたのだが、結果的に全くの杞憂。同じKヘイロー産駒のニシノFも距離伸びて味が生きるタイプであり、案外距離に融通の効く馬を出すのかもしれない。休みを挟んで秋華賞となるが、力の怪しかった桜花賞上位組と違ってこの馬は間違いなく本物。夏場の新星も期待したいが、この世代の牝馬はこの馬を中心に回ることになるだろう。
惜しかったのはコイウタである。好スタートからすぐに絶好の位置を確保した。スタミナ面の不安から最後ばてていた可能性もあるが、故障なく無事にゴール板を通過していれば好勝負を演じていた可能性は高い。やはり今のノリはこわい。
期待したニシノFはスタートで勝負がついた。センスがあるタイプに見えたのだが18頭中最悪のスタートを切るとはよもやの誤算。その上他馬に挟まれて更に位置を下げざるをえなくなるビハインド。後ろからの上がり勝負では勝てないのが藤田も分かっていたのであろう。早めに位置取りを上げて行ったが、そこで脚を使っては直線のヨーイドンで適うわけもない。前のアサヒRをとらえるどころか最後は後ろにいたアドマイヤKにも抜かれてしまった。だが最後まで脚が持っていたのはさすがといったところで、タラレバを言ってしまえばスタート五分に出ていれば2着以内はあったレース。本来であれば直線入り口で先頭直後につけたかったところだろう。奇しくもこの馬の理想の競馬を演じていたのは(途中までだが)同枠のコイウタであった。
2着のフサイチPはよもや折り合いをつけたレースができるとは思わなかった。気難しい面はあるがその素質は一級品といったところか。こういうタイプはとくに牝馬はそのまま埋もれていくことが多いのだが、今回のオークスは大きな収穫。次の1戦が注目である。
桜花賞1、2着馬のこの結果はレースぶりを考えれば至極当然の結果である。今の府中はインも伸びるのだ。後半の方が2秒速いという先行馬有利のレースで直線一気でとらえることはできない。雨続きで馬場が悪くなっているはずにもかかわらず、そんなペースでレコードまで0.1差の記録が出ているところに今の馬場状態が想像できる。アドマイヤKの位置ですら苦しいのだ。それをマークしていたキストゥHが届くわけがない。またそんな瞬発力も持っていない。
来週のダービーに関してもいえるが、直線長い府中とはいえ今の府中2400で追い込み一気で前をとらえようとするのが愚策なのだ。一瞬の切れもないアドマイヤKが今回勝つには前につけるしかなかった。スローペースの今回はそれができた。またそれすらできないスタミナ力ならば後ろからいっても届くわけがないのだ。今の府中はそれを見極める騎手の力量もとかく問われる。今年のオークスはそんなレースであった。