ジャパンカップ回顧

1着 アルカセット ◎
2着 ハーツクライ ☆
3着 ゼンノロブロイ ▲

単勝 14 1,060円
複勝 14 260円
    16 180円
    08 110円
枠連 7-8 2,020円
馬連 14-16 3,310円
ワイド 14-16 1,130円
    08-14  450円
    08-16  310円
馬単   14-16 6,330円
3連複 08-14-16 1,850円
3連単 14-16-08 15,450円


鳥肌が立つレースというのはこういうレースを言うのか。
タップダンスシチーが果敢に逃げた。ストーミーカフェが抑えた、と見る向きもあるだろうがそれは違う。タップが2ハロン目に作ったラップはなんと10.7秒。行かなかったのではない、いけなかったのだ。そのままタップが生んだラップは超ハイペース。1000m通過が58.3秒で、そのまま11秒台のラップを刻みつづけた2000m通過タイムはなんと脅威の1分57.7秒。これは秋の天皇賞レコードタイム1分58.0秒をも上回るもの。結果、決着はホーリックスのレコードを0.1秒更新した2分22.1秒。これでは追いかけたストーミーカフェはたまったものではない。4コーナーで足が止まるのも当然である。
勝ったアルカセット鞍乗のフランキーは見事の一言に尽きる。この二日間、小島太厩舎の馬に数多く乗り、今の府中はインコースも伸びるのが分かっていたのであろう。少々遅めにスタートした後、熾烈な位置取り争いに凌ぎを削る他馬を尻目に、後方から軽く気合をつけて最適のインコース中段を確保した。後は仕掛けのタイミングのみである。外を回されるのを嫌ったのか、3コーナーからは前が空いた時にすかさず進路を確保していた。仕掛けのタイミングも遅すぎず早すぎずベスト。追いの能力は世界トップのさすがのもので、これでJC3勝目は単独トップだが、驚くべきはいずれもハナ差。今回も並ばれてからもう一伸びしており、その騎乗技術には驚かされるという他ない。
二着のハーツクライは予想コラムでも書いたように、ペースが上がれば上がるほど持ち味が生きるタイプ。外を回さなかった鞍乗も見事で、展開、騎乗がベストにはまったと言える。パドックで一際状態が目立ったのもこの馬で、これでGⅠ2着は3回目。特に今回は惜しかった。
ゼンノロブロイアルカセットとほぼ同じ位置にいたが、進路の取り方で騎乗に差が出たのは否めない。4コーナーで外を回らされたのも痛く、とはいえ勝ち馬との差は最後の地力勝負での差だろう。それなりの力は示した。
惜しかったのはヴィジャボード。先行馬総崩れの今回のペースの中で、4コーナーから徐々に仕掛け、直線入り口では先頭に踊り出る勢い。明らかな仕掛け早。4頭に差されはしたが最後まで伸びており、乗り方によってはもっと好勝負ができていたであろう。状態も落ち着いていて好気配であった。
日本史上稀に見る名レースであったが、哲三の果敢な逃げと、その中で完璧な騎乗を見せたフランキーがそれを非常にレベルの高いものにしたと言える。
さて、有馬に向けて日本馬が2〜4着と好勝負を演じたが、最先着のハーツクライは中山よりは府中のここがメイチ勝負であったろう。器用さが求められる中山では厳しく、またペースも分からない。安定しているゼンノロブロイ、一昨年好走したリンカーン、また、依然スピード能力豊かなタップダンスは軽視できない。